展示会チラシの作り方と配り方|捨てられず商談に繋がる設計のコツ
展示会チラシは「サイズはA5またはDL」「部数は来場者数×名刺交換目標率×1.3」「ファーストビューに『誰の・何の課題が・どう解決するか』を3秒で伝える」「配布時は商品説明ではなく1問のヒアリングから入る」
この4点を押さえるだけで、持ち帰り率と商談化率は大きく変わります。
なぜ展示会チラシは捨てられるのか
来場者は1日に数十〜百枚以上の資料を受け取ります。
帰社後に開かれるのはその中の数枚です。捨てられる理由はおおむね3つに集約されます。
- 受け取った瞬間に「自分向けの情報」だと認識できない
- 会社案内のような総合パンフで、何の課題に効くのか不明瞭
- サイズが大きく、当日の荷物として邪魔になる
逆に言えば、この3点を裏返した設計をすれば、持ち帰られ、後日の商談アポにつながる確率は確実に上がります。
展示会チラシのサイズと部数の決め方
サイズ選定:A4が正解とは限らない
「とりあえずA4」で発注しがちですが、来場者の鞄やジャケットの内ポケットに入るかどうかが持ち帰り率を左右します。
用途別に最適サイズは異なります。
| サイズ | 特徴 | 向く用途 | 配布のしやすさ |
|---|---|---|---|
| A4 | 最も標準的・情報量が多い | 製品紹介・詳細資料 | バッグに入れにくい |
| A5 | 片手で扱いやすい・要点重視 | サービス案内・キャンペーン告知 | ◎持ち帰りやすい |
| DL(長3) | 縦長で目を引く・スリム | 名刺交換時の添付・誘導 | ジャケット内ポケットに収まる |
| A6 | ハガキサイズ・写真映え | ノベルティ同梱・QR誘導用 | ◎まずもらってもらいやすい |
迷ったらA5。情報量と携帯性のバランスが最も取れており、ブース配布の主力サイズとして失敗が少ない選択です。
印刷部数の目安
部数は感覚で決めず、簡単な計算式で算出します。
計算式:来場者数 × 名刺交換目標率 × 1.3
- 来場者数:主催者発表の見込み来場者数(自社ブースへの到達率は別途加味)
- 名刺交換目標率:通常5〜15%。新規出展なら控えめに、リピート出展なら実績ベースで
- ×1.3:予備分(汚損・追加配布・営業社員の持ち帰り用)
例:3日間で来場者3万人、目標交換率8%なら、3万×8%×1.3 ≒ 3,120部。
これを1ロット目とし、初日終了時点で残部数を見て増刷可否を判断するのが現実的です。
捨てられないデザインの設計ルール
ファーストビューで3秒以内に伝える3要素
受け取った瞬間に視線が落ちる紙面上3分の1、ここで勝負が決まります。次の3要素を必ず配置してください。
- 【ターゲット】誰に向けたものか(例:「製造業の品質管理ご担当者様へ」)
- 【課題】どんな悩みを解決するか(例:「検査工数を半分にしたい方へ」)
- 【提供価値】どんな結果が得られるか(例:「AI画像検査で不良率3%以下を実現」)
情報量は「絞る」「捨てる」が正解
展示会チラシは会社案内ではありません。詰め込むほど読まれなくなります。
- メインメッセージは1つに絞る(複数製品があっても、その回の展示会では一推しに集中)
- 製品スペックは詳細URLやQRコードへ逃がす
- 文字サイズは本文10〜11pt以上、見出しは強弱を明確に
配色とレイアウトの基本
ブランドカラーを基調にしつつ、視認性を最優先します。
- 使用色は3色以内(メイン・サブ・アクセント)
- 背景に薄い色面を敷くだけでも視線誘導効果が出る
- ブース番号・社名・小間位置を表面に必ず明記(後で「あのブース」と思い出してもらうため)
裏面は「次のアクション」専用にする
表面で興味を引き、裏面で行動を促す——この役割分担が鉄則です。
- QRコードでサービスサイト・事例ページ・資料DLへ誘導
- 具体的な導入事例を1〜2件、数値とともに掲載
- 展示会限定オファー(無料診断・先着特典など)を明示
配布時のトーク設計:渡し方で受け取り率は2倍変わる
どれだけ良いチラシを作っても、配り方が「いかがですか?」だけでは8割が断られます。
受け取ってもらえるトークには型があります。
NGトーク:商品説明から入る
「弊社は◯◯というサービスを提供しておりまして〜」は最悪パターンです。
来場者は「売り込まれる」と感じた瞬間、足を止めません。
OKトーク:1問のヒアリングから入る
先に質問を投げ、相手の反応を見てからチラシを渡します。
例:BPO営業支援サービスを訴求する場合
- 「新規開拓のテレアポ、社内でやられてますか?それとも外注ですか?」
- →「社内です」と返ってきたら:「アポ獲得率に課題ありませんか?こちら、月◯件のアポを安定供給した事例まとめです」とチラシを渡す
- →「外注です」と返ってきたら:「他社さんからの切り替え検討時の比較資料があるんですが、お持ちしますか?」
ヒアリング1問が入るだけで、チラシは「営業資料」から「あなた向けの情報」に変わります。受け取り率も、その後の商談化率も明確に上がります。
チラシ+名刺交換のセット運用
- チラシを渡す=名刺をいただくタイミング、と運用ルールを決めておく
- 受け取った名刺の余白に「興味度」「会話キーワード」を即メモ
- 帰社後のフォローメールに、その会話キーワードを必ず1つ入れる(記憶想起トリガー)
制作・発注で押さえるべき進行管理
逆算スケジュール:本番から最低6週間前にキックオフ
- 6週間前:企画・訴求軸の確定
- 4週間前:デザイン初稿
- 3週間前:修正・最終校正
- 2週間前:印刷入稿
- 1週間前:納品・社内配布トーク研修
印刷発注で確認すべき項目
- 用紙(コート135kg前後が標準、マットコートで上品な印象に)
- 加工(PP加工は耐久性◎だが書き込み不可、要不要を判断)
- 納品先(会場直送 or 一旦社内検品か)
- 予備部数(実需の10〜15%上乗せが安全)
展示会チラシを「商談につながる武器」に変える
チラシ単体で完結させず、ブース設計・配布オペレーション・名刺管理・後追いフォローまでを一気通貫で設計することが、展示会ROIを最大化する最短ルートです。
自社で全工程を回すのが難しい、デザイン会社と営業現場が分断されてうまく機能していない、出展のたびに同じ課題を繰り返している——そんな場合は、外部の専門チームと組むのが現実的な打ち手です。
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