展示会POPの作り方|商品の前で足を止めさせる一言・デザインのコツ
展示会に出展した際、「商品は良いはずなのに、来場者がなかなか足を止めてくれない」と感じたことはないでしょうか。
ブースの前を多くの来場者が通っている。
商品もきちんと並べている。
スタッフも待機している。
それでも、来場者が立ち止まらなければ、説明の機会は生まれません。
その差を生む要素の一つが、商品や展示台の近くに置くPOPです。
展示会POPは、単なる説明書きではありません。
来場者の視線を引き、足を止め、スタッフが声をかけるきっかけを作る“静かな営業ツール”です。
どれだけ良い商品でも、来場者に気づかれなければ商談にはつながりません。
反対に、POPの一言が来場者の課題に刺されば、商品説明をする前から会話の入口を作ることができます。
本記事では、展示会POPの役割、足を止めさせるコピーの作り方、サイズ・設置位置・デザインの考え方、商談につなげる運用ポイントまで解説します。
展示会POPの役割は「読ませる」ではなく「止めさせる」こと
展示会POPを作るとき、多くの企業がやってしまいがちなのが、商品説明を詰め込みすぎることです。
商品名、スペック、特徴、導入メリット、価格、注意事項。
伝えたいことをすべて入れようとすると、POPは小さなカタログのようになってしまいます。
しかし、展示会場の来場者は、ブースの前でじっくり文章を読んでくれるわけではありません。
多くの場合、通路を歩きながら、数秒で「見るか・見ないか」「立ち止まるか・通り過ぎるか」を判断しています。
そのため、展示会POPの役割は、商品をすべて説明することではありません。
まずは、来場者に「これは自分に関係がありそうだ」と気づいてもらい、足を止めてもらうことです。
POPは3秒で勝負が決まる
展示会場では、来場者は複数のブースを短時間で見て回ります。
一つのブースに向けられる視線は、想像以上に短いものです。
その短い時間の中で、POPに書かれた文字が読めない、意味が伝わらない、誰向けかわからない状態では、来場者はそのまま通り過ぎてしまいます。
POPで大切なのは、詳しく説明することではなく、一瞬で気づかせることです。
読まれにくいPOPの例
- 高性能AIを搭載した業務効率化支援ツール
- 独自技術により高い耐久性を実現した新素材
- 多機能で幅広い業務に対応可能な管理システム
どれも情報としては間違っていません。
しかし、来場者からすると「自分にどう関係があるのか」がすぐにわかりません。
一方で、次のような一言であれば、来場者は自分ごととして捉えやすくなります。
- 月末作業を2時間短縮
- 梱包コストを15%削減
- 属人化した管理を見える化
短い言葉で、来場者の課題や得られる結果を伝えること。
これが、足を止めさせるPOPの基本です。
POPは営業スタッフの「最初の一言」を肩代わりする
展示会では、すべての来場者にスタッフが声をかけられるわけではありません。
スタッフが別の来場者に対応している時間もあります。
通路側に人が多く、声をかけるタイミングを逃すこともあります。
来場者側も、いきなり話しかけられることに抵抗を感じる場合があります。
そのような場面で、POPは営業スタッフの最初の一言を肩代わりしてくれます。
たとえば、POPには以下のような役割を持たせることができます。
- こんなお悩みはありませんか?と問いかける
- この課題を解決できますと伝える
- 詳しく知りたい方はこちらへと行動を促す
このように、POPが先に問いかけてくれることで、スタッフは自然に声をかけやすくなります。
つまり、展示会POPは装飾物ではなく、来場者との会話を始めるための営業導線の一部です。
足を止めさせる一言コピーの作り方
展示会POPで最も重要なのは、最初に目に入る一言です。
デザインが整っていても、コピーが弱ければ来場者の足は止まりません。
反対に、シンプルなデザインでも、来場者の課題に刺さる一言があれば、会話のきっかけになります。
ここでは、展示会POPに入れるコピーの作り方を解説します。
「機能」ではなく「相手の状況」を書く
POPに書くべきなのは、自社が伝えたい機能ではなく、来場者が置かれている状況です。
多くの企業は、POPに商品の特徴を書きがちです。
- 高性能
- 多機能
- 業界初
- 独自技術
- 短納期対応
もちろん、これらは重要な強みです。
しかし、来場者が知りたいのは「その商品が自社のどの課題を解決してくれるのか」です。
そのため、POPの一言は、機能から考えるのではなく、来場者の悩みや業務シーンから考えます。
| 商品・サービス | NG例 | OK例 |
|---|---|---|
| 業務支援ツール | 高性能AI搭載 業務支援ツール | 月末の残業、AIで減らしませんか? |
| 高機能フィルム | 独自製法の高機能フィルム | 梱包コストを見直したい方へ |
| 在庫管理システム | 多機能な在庫管理システム | 在庫のズレ、現場任せになっていませんか? |
NG例は、商品側の説明です。
OK例は、来場者側の課題や状況に寄せた表現です。
展示会POPでは、商品を主語にするよりも、来場者を主語にした方が足を止めてもらいやすくなります。
一言コピーは「課題+結果+問いかけ」で考える
足を止めさせるPOPコピーは、難しく考える必要はありません。
基本は、以下の3つを組み合わせるだけです。
- 来場者が抱えている課題を入れる
- 商品やサービスによって得られる結果を入れる
- 思わず反応したくなる問いかけにする
たとえば、展示会運営サービスであれば、以下のようなコピーが考えられます。
- 名刺、集めっぱなしになっていませんか?
- 展示会後のフォロー、遅れていませんか?
- 商談につながるブース、作れていますか?
- 声かけだけで終わらない展示会運営へ
重要なのは、きれいなキャッチコピーを作ることではありません。
来場者が「まさにそれに困っている」と思える一言にすることです。
ターゲットの「あるある」を1つに絞る
POPで成果を出すには、誰に向けた言葉なのかを明確にする必要があります。
展示会には、さまざまな業種・職種・役職の来場者が訪れます。
全員に刺さる一言を作ろうとすると、結果的に誰にも響かない言葉になってしまいます。
そのため、POPでは「一番立ち止まってほしい人」を1人に絞って考えます。
| ターゲット | POPコピー例 |
|---|---|
| 経営者向け | 人件費を抑えながら営業効率を上げたい方へ |
| 現場担当者向け | 毎月の手作業を減らしたい方へ |
| マーケティング担当者向け | 展示会リードを商談化したい方へ |
このように、ターゲットが変われば、刺さる言葉も変わります。
「誰でもわかる言葉」ではなく、「来てほしい人が反応する言葉」を選ぶことが大切です。
数字を入れて具体性を高める
POPのコピーには、できるだけ数字を入れると具体性が高まります。
「業務効率化」「コスト削減」「売上アップ」「作業時間短縮」のような表現はよく使われますが、抽象的なため印象に残りにくい言葉です。
一方で、数字を入れると、来場者は効果をイメージしやすくなります。
- 作業時間を2時間短縮
- コストを15%削減
- 3ステップで導入可能
- 最短1週間で運用開始
- 展示会後3日以内に営業フォロー
数字は、来場者の理解を助けるだけでなく、スタッフが声をかける際のきっかけにもなります。
たとえば、POPに「展示会後3日以内に営業フォロー」と書いてあれば、スタッフは「展示会後のフォロー体制でお困りですか?」と自然に会話を始められます。
長くても15文字前後に削る
足を止めるためのPOPコピーは、短いほど効果的です。
目安として、メインコピーは15文字前後に収めると、歩きながらでも読みやすくなります。
もちろん、商品によっては多少長くなることもあります。
しかし、メインコピーで説明しようとしすぎると、視認性が下がります。
POPは、カタログや営業資料ではありません。
最初の役割は、来場者に振り向いてもらうことです。
説明したい内容は、サブコピー、チラシ、スタッフのトーク、商談資料に分けて伝えましょう。
視認性を高める展示会POPデザインのコツ
POPのコピーが良くても、読みにくければ効果は出ません。
展示会POPは、通路を歩く来場者に向けて情報を届けるものです。
そのため、きれいなデザインよりも、遠くから見て一瞬で読めることが重要です。
ここでは、サイズ、設置位置、文字、色、余白の観点から、展示会POPのデザインポイントを解説します。
POPのサイズは用途ごとに使い分ける
展示会POPは、置く場所や役割によって適したサイズが変わります。
通路から足を止めさせるためのPOPは、大きめのサイズが必要です。
一方で、商品横に置く補足POPは、大きすぎるとかえって邪魔になります。
目安は以下の通りです。
| POPの種類 | サイズ目安 | 設置場所 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 訴求POP | A3〜A2 | 通路側・ブース正面 | 来場者の足を止める |
| 説明POP | A5〜A4 | 商品横・展示台上 | 特徴やベネフィットを補足する |
| 補足POP | B6〜A5 | テーブル上 | 詳細情報を簡潔に伝える |
| 案内POP | A5〜A4 | 受付・商談席 | 名刺交換・資料請求へ誘導する |
大切なのは、1枚のPOPですべてを伝えようとしないことです。
通路から見せるPOPは、足を止める一言に絞る。
商品横のPOPは、特徴やベネフィットを補足する。
受付や商談席のPOPは、名刺交換や資料請求などの行動を促す。
このように、サイズごとに役割を分けることで、ブース全体の情報が整理されます。
設置位置は目線の高さを意識する
展示会POPは、どこに置くかによって読まれ方が大きく変わります。
せっかく良いPOPを作っても、テーブルに平置きしただけでは、通路を歩く来場者の目に入りにくくなります。
特に、最も伝えたい一言は、立った来場者の自然な目線に近い高さに配置することが重要です。
商品台やテーブルの上に置く場合も、平置きではなく、スタンドや傾斜台を使って立ち上げると視認性が上がります。
また、通路側から見たときに、スタッフや展示物でPOPが隠れていないかも確認しましょう。
設営後に一度、来場者の目線で通路を歩いてみると、読みにくい位置や死角に気づきやすくなります。
文字は大きく、情報は少なくする
展示会POPでは、文字の大きさと情報量のバランスが重要です。
小さな文字で多くの情報を入れると、近づかなければ読めません。
しかし、近づいて読んでもらうためには、まず遠くから気づいてもらう必要があります。
そのため、POPでは以下のように情報の優先順位をつけます。
- 一番大きく見せる:来場者の足を止める一言
- 次に見せる:得られるメリットや対象者
- 小さく見せる:補足説明やスペック
最初に見せるべきなのは、商品名ではなく、来場者が反応する言葉です。
商品名やスペックを大きくしすぎると、来場者にとってのメリットが伝わりにくくなります。
「何の商品か」よりも先に、「自分に関係があるか」を判断できるように設計しましょう。
色は3色以内に抑える
展示会場では、周囲のブースも多くの色や照明を使っています。
その中で目立とうとして、POPに多くの色を使いすぎると、かえって読みにくくなります。
POPで使う色は、基本的に3色以内に抑えるのがおすすめです。
- 背景色
- 文字色
- 強調色
この3つに絞るだけで、情報が整理され、遠くからでも読みやすくなります。
背景と文字のコントラストをしっかりつけることも重要です。
白背景に薄いグレーの文字、濃い背景に細い文字などは、展示会場では見えにくくなります。
強調したい言葉がある場合は、すべてを派手にするのではなく、一番見せたい言葉だけを太字にする、背景色で囲む、下線を入れるなど、視線が一点に集まるようにしましょう。
余白を残して読みやすくする
POPに情報を入れすぎると、来場者は読む前に離れてしまいます。
「せっかく作るなら、あれもこれも入れたい」と考えたくなりますが、展示会POPでは余白も重要なデザイン要素です。
余白があることで、メインコピーが目立ちます。
写真やイラストも見やすくなります。
遠くから見たときにも、情報の優先順位が伝わりやすくなります。
POPを作る際は、「もう一文入れられるか」ではなく、「この一文を削っても伝わるか」と考えることが大切です。
情報を削ることは、伝える力を弱めることではありません。
むしろ、展示会場では削ることで伝わりやすくなります。
商談につながるPOP運用のポイント
展示会POPは、作って置くだけでは十分ではありません。
POPを起点に、来場者が足を止め、スタッフが声をかけ、商品説明や商談につながる流れを作る必要があります。
ここでは、POPを商談につなげるための運用ポイントを解説します。
役割の異なる3種類のPOPを設計する
展示会POPは、1枚ですべてを伝えようとするよりも、役割ごとに分けて設計した方が効果的です。
基本は、以下の3種類です。
| POPの種類 | 役割 | 内容例 |
|---|---|---|
| 集客POP | 通路から足を止めさせる | 短い一言で、課題やメリットを伝える |
| 理解POP | 商品やサービスの価値を伝える | 導入メリット、比較ポイント、使い方を整理する |
| 行動POP | 次の行動へ誘導する | 名刺交換、デモ予約、資料請求、QRコード読み取りへつなげる |
この3種類を設計することで、来場者を「気づく」「理解する」「行動する」という流れに自然に導けます。
POPとスタッフの声かけを連動させる
POPは、スタッフの動きとセットで設計することで効果が高まります。
たとえば、POPに「展示会後のフォロー、遅れていませんか?」と書いてある場合、スタッフは以下のように声をかけられます。
- 展示会後の名刺フォローでお困りですか?
- 会期後の営業対応まで設計されていますか?
- 名刺を集めた後の商談化までご支援できます
このように、POPの言葉とスタッフのトークがつながっていると、声かけが自然になります。
反対に、POPとスタッフの説明がバラバラだと、来場者は何を聞けばよいのかわからなくなります。
POPを作る段階で、スタッフがどのように声をかけるかまで決めておきましょう。
QRコードや資料請求導線も合わせて設計する
展示会POPには、QRコードを掲載するケースもあります。
ただし、QRコードを置くだけでは、来場者はなかなか読み取ってくれません。
重要なのは、QRコードを読み取る理由を明確にすることです。
- 導入事例を無料で見る
- チェックリストをダウンロードする
- デモ動画を確認する
- 詳しい資料を受け取る
- 後日相談を予約する
このように、QRコードの先で得られるメリットをPOP上に書いておくと、行動につながりやすくなります。
また、QRコードを読み取った来場者に対して、会期後どのようにフォローするかも事前に決めておきましょう。
展示会は、当日だけで完結するものではありません。
POPで生まれた接点を、会期後の商談につなげる設計が重要です。
出展後にPOPを振り返り、資産化する
展示会POPは、会期が終わったら捨ててしまうものではありません。
実際に足を止めたコピー、スタッフが声をかけやすかった言葉、来場者の反応が良かった表現は、次回出展や営業活動にも活用できます。
たとえば、反応が良かったPOPのコピーは、以下のような場面に転用できます。
- Webサイトのファーストビュー
- 営業資料の冒頭コピー
- メールマガジンの件名
- ホワイトペーパーのタイトル
- 広告バナー
- 次回展示会の壁面コピー
来場者の足を止めた言葉は、見込み客の関心を引く言葉でもあります。
展示会後は、POPごとの反応をスタッフにヒアリングし、どの言葉が商談につながったのかを振り返りましょう。
POPは一度きりの制作物ではなく、営業・マーケティングに活用できる資産として捉えることが大切です。
展示会POPでよくある失敗
展示会POPは、少しの工夫で効果が変わります。
一方で、よくある失敗を避けるだけでも、来場者に伝わりやすくなります。
商品名だけを大きく載せている
商品名を大きく載せるだけでは、来場者は自分に関係があるか判断できません。
すでに認知度の高い商品であれば有効な場合もありますが、多くの展示会では、商品名よりも「何を解決できるのか」を見せた方が足を止めてもらいやすくなります。
文字が多すぎて読めない
展示会POPに詳細説明を詰め込みすぎると、遠くから見たときに読めなくなります。
説明したい情報は、チラシや営業資料に分けましょう。
POPは、来場者との会話を始めるための入口です。
設置位置が低すぎる
テーブルに平置きしたPOPや、足元に近いPOPは、通路を歩く来場者の視界に入りにくくなります。
大事な一言は、立った来場者の目線に近い高さに配置しましょう。
スタッフがPOPを活用していない
POPを作っても、スタッフがその内容を把握していなければ、商談にはつながりません。
POPに書いた言葉をもとに、どのように声をかけるか、どの資料を渡すか、どの質問をするかまで決めておくことが重要です。
まとめ:展示会POPは、ブースの無言の営業マン
展示会POPは、商品の説明書きではありません。
来場者の足を止め、商品に気づいてもらい、スタッフが声をかけるきっかけを作る営業ツールです。
POPで大切なのは、きれいに作ることではなく、来場者が一瞬で「自分に関係がある」と感じられることです。
そのためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- コピーは、機能ではなく来場者の課題から考える
- メインコピーは短く、数字や問いかけを活用する
- POPのサイズは、集客・理解・行動の役割ごとに分ける
- 設置位置は、来場者の目線と通路からの見え方を意識する
- 色数を絞り、余白を残して読みやすくする
- スタッフの声かけや会期後フォローまで連動させる
展示会では、来場者がブースの前を通り過ぎるまでの数秒が勝負です。
その数秒で足を止めてもらえるかどうかが、商談数を大きく左右します。
だからこそ、POPは「とりあえず置くもの」ではなく、商談導線を作るために設計すべき要素です。
Be-trackのワンストップ展示会Lab.では、展示会の戦略設計から、ブースデザイン、POP・販促物制作、当日の運営、会期後のリードフォローまで一括でサポートしています。
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