ifia JAPAN 2026 現地レポート|食品開発の最前線が集まる展示会の雰囲気・出展ポイントを紹介
2026年5月27日(水)から29日(金)にかけて、東京ビッグサイト西ホールで開催された、国際食品素材/添加物展・会議「ifia JAPAN 2026」を視察いたしました。
ifia JAPANは、食品素材、食品添加物、機能性食品素材、加工技術、品質評価技術など、食品開発に関わる企業が一堂に集まるBtoB専門展示会です。
会場では、食品メーカー、サプリメント関連企業、化学メーカー、研究機関、食品関連メディアなど、幅広い業種の企業が出展しており、来場者も研究開発、商品企画、品質管理、購買、マーケティング担当者など、専門性の高い層が多い印象でした。
本記事では、ifia JAPAN 2026の会場の様子や注目されていた展示テーマ、来場者の足を止めていたブースの特徴、次回出展を検討する企業が準備しておきたいポイントについて紹介します。

ifia JAPANとは
ifia JAPANは、食品素材・添加物・健康機能性食品素材を中心とした国際展示会です。
「おいしさ」「健康」「安全性」「環境対応」といった食品開発に欠かせないテーマを軸に、最新の素材や技術、加工方法、品質評価サービスなどが紹介されます。
主な出展領域は以下の通りです。
- 機能性食品素材・健康食品素材
- 食品添加物
- 甘味料・酸味料・乳化剤・増粘剤
- 食感・風味改良技術
- 発酵・微生物関連技術
- 代替原料・サステナブル素材
- 分析・品質評価技術
- 食品加工・保存・製造支援技術
ifia JAPANの特徴は、単に素材を展示するだけではなく、「その素材を使うことで、どのような食品を開発できるのか」まで提案されている点です。
実際の会場でも、素材単体の説明よりも、試作品・試食・用途提案・データ資料を組み合わせて紹介しているブースが多く見られました。



会場全体の様子
会場全体は多くの来場者で賑わっており、各ブースの前では商談や製品説明が活発に行われていました。
特に試食を実施しているブースや、実際の製品サンプルを展示しているブースには自然と人が集まり、来場者が足を止めて説明を聞く様子が多く見受けられました。
食品素材の展示会ということもあり、会場内ではさまざまな食品の香りが広がっており、一般的なBtoB展示会と比べても「体験しながら理解する」要素が強い展示会だと感じました。
また、ブース前での会話も単なる名刺交換ではなく、
- この素材はどのような食品に使えるのか
- 既存商品との差別化につながるのか
- 味や食感にどのような変化が出るのか
- エビデンスや機能性表示への対応は可能か
- 原料の安定供給やロット対応はどうか
といった、かなり具体的な内容まで踏み込んだやり取りが多い印象でした。
そのため、来場者の関心度は高く、出展企業側にも専門的な質問に対応できる説明体制が求められる展示会だと感じられます。

セミナー・講演も盛況
会場では展示ブースだけでなく、複数のセミナーや講演も同時開催されていました。
テーマは、食品安全、健康機能成分、サステナブルな食品開発、食感研究など幅広く、なかには「グミのかみごたえ」に関する研究テーマのように、食品開発の現場に直結するユニークな内容も見られました。
セミナー会場は多くの来場者で埋まっており、展示だけでなく、最新知識の収集を目的に来場している方も多い印象でした。
次回出展を検討する企業にとっては、ブース展示だけでなく、セミナー・講演・技術発表と連動した情報発信も、来場者との接点を増やす有効な手段になると考えられます。
注目されていた出展テーマ
ifia JAPAN 2026では、特に以下のテーマに注目が集まっていました。
健康・機能性食品素材
腸内環境、美容、免疫、睡眠、疲労感、生活習慣対策など、健康課題に関連する素材提案が多く見られました。
単に「健康によい素材」という訴求ではなく、どのような商品カテゴリーに展開できるのか、どのような生活者ニーズに応えられるのかまで提案しているブースが目立っていました。
サステナビリティ・代替原料
環境対応や食品ロス削減、植物由来素材、代替原料などの展示も多く見られました。
食品業界でも、味や価格だけでなく、環境負荷や原料調達の背景まで含めた商品開発が重視されていることがうかがえました。
おいしさ・食感・風味改良
食品開発において欠かせない「おいしさ」の領域では、食感改良、風味付与、マスキング、減塩・低糖質でも満足感を出す技術などが紹介されていました。
特に、試食を通じて違いを体感できるブースは、来場者の滞在時間が長く、説明にもつながりやすい印象でした。
会場で印象に残ったブースの特徴
会場内で特に目を引いていたのは、視認性と体験設計に優れたブースです。
なかでも、縦方向に大きく構造物を設計しているブースは、通路を歩いている段階から自然と視界に入りやすく、遠くからでも存在感がありました。
食品素材の展示会では、各社が似たテーマを扱うことも多いため、ブースの第一印象で「何を扱っている企業なのか」「何が強みなのか」が伝わる設計が重要だと感じます。
実際に目を引いていたブースには、以下のような工夫が見られました。
- 通路側にモニターを設置し、製品や活用シーンを動画で見せている
- キャッチコピーが短く、来場者が一瞬で内容を理解できる
- 試食品やサンプルが通路側から見え、自然に足を止めやすい
- スタッフが声をかける前に、来場者が自発的に興味を持つ導線になっている
- 比較試食やデモを通じて、違いを体感できる構成になっている
- ブース内で「説明」「試食」「商談」へ自然に移動できる流れがある
特に、素材の特徴を言葉だけで説明するのではなく、実際に味・香り・食感として体験できるブースは、来場者の理解が早く、商談にもつながりやすい印象でした。
来場者の足を止めていたブースの共通点
成果につながりやすいブースには、いくつかの共通点がありました。
まず、囲われすぎておらず、通路側から入りやすい構造になっているブースは、来場者が気軽に立ち寄りやすい印象でした。
一方で、何を展示しているのかが遠くから分かりにくいブースや、資料が並んでいるだけのブースは、来場者が通り過ぎてしまいやすい傾向が見られました。
来場者の足を止めていたブースには、以下のような特徴があります。
- 遠くからでも何を扱っているか分かる
- キャッチコピーが短く、瞬時に理解できる
- 通路側に試食・サンプル・モニターなどの見せ場がある
- 素材の用途や導入後のイメージが伝わりやすい
- ノベルティだけに頼らず、体験を中心に設計されている
- スタッフの声かけが自然で、押し付け感がない
- ブース内の導線がシンプルで、説明から商談へ進みやすい
展示会では、来場者が1つのブースを見る時間は限られています。
その短い時間の中で興味を持ってもらうためには、見た目の装飾だけでなく、情報の伝え方や体験導線の設計が重要になります。
ifia JAPANに出展する企業が準備しておきたいこと
ifia JAPANでは、単に素材を紹介するだけでは、数多くの出展社の中で埋もれてしまう可能性があります。
出展時には、素材の特徴だけでなく、「その素材を使うことで、どのような商品開発ができるのか」を具体的に伝えることが重要です。
伝えるメッセージを1つに絞る
まず重要なのは、ブースで伝えるメッセージを明確にすることです。
- 「何に使える素材なのか」
- 「どのような課題を解決できるのか」
- 「既存商品と何が違うのか」
この3点が一瞬で伝わるように、キャッチコピーや展示物を整理する必要があります。
たとえば、
- 減塩でも旨味を維持できる
- 食感を変えずに糖質を抑えられる
- 植物由来でも満足感のある食品にできる
- 少量添加で風味や口どけを改善できる
といったように、用途ベースで表現すると、来場者が商品化のイメージを持ちやすくなります。
試食・比較体験を設計する
食品素材の展示では、試食やサンプルの見せ方が非常に重要です。
単に「おいしい」と感じてもらうだけでなく、
- 通常品との違い
- 素材を入れた場合と入れない場合の違い
- 食感や風味の変化
- 健康価値や機能性とのバランス
を比較できるようにすると、来場者の理解が深まりやすくなります。
技術資料・エビデンスを用意する
ifia JAPANの来場者は専門性が高いため、ブースでは具体的な質問が多く発生します。
そのため、パンフレットだけでなく、以下のような資料も用意しておくと安心です。
- 成分データ
- 使用量の目安
- 想定用途
- 実績・採用事例
- 機能性に関するデータ
- 安全性・品質管理に関する情報
- 原料供給やロットに関する情報
見た目や試食で興味を持ってもらい、詳細な資料で納得してもらう流れを作ることが重要です。
スタッフの説明内容を統一する
展示会当日は、複数名のスタッフで対応するケースが多くなります。
そのため、誰が対応しても同じ説明ができるように、事前にトーク内容を整理しておくことが大切です。
特に、以下の内容はスタッフ間で統一しておくとスムーズです。
- 最初の声かけ
- 素材の特徴
- 主な用途
- 他社素材との違い
- よくある質問への回答
- 商談につなげる条件確認
- 名刺獲得後のフォロー方法
スタッフごとに説明内容がばらつくと、来場者に伝わる印象も変わってしまいます。
事前に簡単なトークスクリプトを作成しておくことで、ブース全体の接客品質を安定させることができます。
会期後フォローまで設計する
展示会は、名刺を集めて終わりではありません。
来場者がどの素材に興味を持ったのか、どの用途で検討しているのか、いつ頃の開発案件なのかを記録し、会期後すぐにフォローできる体制を整えることが重要です。
特に食品素材の場合、すぐに発注につながるというよりも、開発検討や試作、社内評価を経て商談が進むケースも多くあります。
そのため、会期後のフォローでは、
- 試作用サンプルの送付
- 技術資料の共有
- 用途別の提案資料の送付
- オンライン商談の設定
- 商品開発担当者への追加説明
まで想定しておくと、展示会で得た接点を商談につなげやすくなります。
ifia JAPANで成果を出すためのポイント
ifia JAPANのような専門展示会では、出展するだけでは十分な成果につながりません。
重要なのは、来場者に対して以下の流れを設計することです。
- 驚かせる:試食・体験で興味を引く
- 想像させる:用途提案で商品化イメージを持たせる
- 納得させる:データや資料で導入判断を後押しする
この流れができているブースほど、来場者の滞在時間が長く、具体的な商談につながりやすい印象でした。
特に成果を出すうえでは、以下の3点が重要です。
視認性
遠くから見ても、何の素材・技術を扱っているのかが分かること。
理解性
来場者が一瞬で「自社の商品開発に使えそう」と感じられること。
体験性
試食やデモを通じて、違いを実感できること。
この3つを意識してブース設計を行うことで、来場者に興味を持ってもらいやすくなり、商談化の可能性も高まります。
まとめ
ifia JAPAN 2026は、食品素材・機能性・添加物・加工技術が集まるだけでなく、食品開発の課題解決や新たな商品企画のヒントが得られる展示会でした。
会場では、素材の機能性や技術的な特徴だけでなく、実際に試食・体験しながら理解を深める展示が多く見られました。
来場者も専門性が高く、ブース前では具体的な用途や開発課題についての会話が多く行われていたため、出展企業には製品力だけでなく、価値をわかりやすく伝える設計力が求められる展示会だと感じます。
展示会出展で成果を出すためには、「見せる」「体験させる」「納得させる」流れを事前に設計し、来場者が自然に商談へ進めるブースづくりを行うことが大切です。
次回のifia JAPANは、2027年5月19日(水)〜21日(金)に開催予定です。

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